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お盆と神棚?!日本古来の習わしとつながった神道と仏教〜感謝する気持ちは同じ

「お盆」という呼称は仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が主な起源とされています。ご先祖様の霊を迎えて供養・感謝する伝統的な行事とされています。お盆の時期といえば、迎え火・送り火、お供え物や飾り物などが用意され、夏の風景の一部にもなっています。実家に帰省するとお仏壇に「きゅうりの馬となすの牛」を見かける、そんな仏教のイメージが強いお盆ですが、時代をたどると古くは神道のルーツも含んでいるようです。

もともとは神道でも?ご先祖様を思う気持ちは同じ

「お盆」という行事はいつ頃から行われていたのでしょうか?古くは「日本書紀」にも記述があり、平安時代から年中行事として定着していたようです。その頃から日本の伝統的な習わしと仏教の習わしが合わさり、現在のカタチへと変化していったようです。

日本には本来、様々な神様・祖霊・ご先祖様を敬う神道の風習がありました。先祖祭としてお供え物をし、神様とご先祖に感謝するというものでした。感謝する気持ちや思いとしては同じであった、という神道・仏教の不思議な出会いだったようです。

実際に行うお盆の習わしについても、神道・仏教で似ています。神道ならではの特徴としては、お供えの花でよく見る菊などの替わりに榊を飾ったり、迎え火などで燃やすのは神道に関わりの深い「麻の茎」だったりします。多少の違いはあっても、お供え物・飾りをする、お仏壇・祖霊社・神棚をキレイにお手入れする、迎え火・送り火をする、など全体としては共通しているのが不思議です。

神道のお盆、仏教のお盆、日本の夏の風景

ちなみに「盆踊り」も仏教・神道共に起源の諸説があるようですが、日本古来より行われていた「ご先祖様を思うための踊り」に主な起源があるという考えもあるようです。そしてこの「ぼん」という呼び方も、古来よりの習わしで供物をのせていた「ボン」という供物台の呼称に由来するという説もあるようです。

それぞれの風習が長い時間をかけて混ざり合いながら風土に馴染み、今に受け継がれてきた夏の行事。お盆という伝統行事のルーツを辿ると、神道と仏教、両方の要素が合わさった日本独特な思いの表現なのかもしれません。お盆の行事にあまり馴染みがないと、「お盆といえば、夏休みでしょ?」と即答してしまいそう。とはいえ、夏の風物詩でもあるお盆の風景〜盆踊りの音色〜家々の門戸で焚かれる煙に出会うと、どこか懐かしさと哀愁を感じる不思議・・・。祖先の人々が数千年に渡り紡いできた、遠く遠くさかのぼる夏の記憶。それが日本人のDNAに刻まれているのかも?!なんて思いを馳せて…

「お盆」に感謝の気持ちを

ご祖先様を思いつつ、現代に生きる私たちも一般的な寿命を考えて「あと何回、夏を過ごせるのだろう?」と、ふと思う時・・・。『この夏、そして今日という日を大切に過ごす』という感謝に改めて気付くのかもしれません。

帰省で久しぶりに実家に帰るという人も多いお盆の時期。親族に感謝するのはもちろん、もっと広い視野で感謝の気持ちを思う貴重な機会になるかもしれません。お盆の前後には、お仏壇も神棚もキレイにして季節の花を一輪飾ってみてはいかがでしょうか?

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